機械としてのロボットとは、主に以下の意味に大別される。
1. ある程度自律的に何らかの自動作業を行う機械。例・産業用ロボット
2. 人に近い形および機能を持つ機械。『機動戦士ガンダム』や『鉄腕アトム』等のSF作品に登場するようなもの。いわゆる「機動兵器」や「人造人間」等。
なお、人の代わりになんらかの作業を行う装置の場合、ある程度の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に行う物であり、単一の動作を行う物や、絶えず人間が操作をする必要がある物はロボットの範疇には含まれない。許容される範疇における限定された物ではあるが、状況を判断して自動的に連続して作業を行う物とされる。しかし単純に与えられた条件に対して所定の、あるいは繰り返しの動作を行う機械装置との境界は曖昧で、明確に定義・区分することは出来ない。例えば自動販売機は、人間の仕事(業務)を代行する装置であるが、これをロボットとみなすかどうかは、人によってまちまちである。
その一方で、人の形をした機械装置であれば手動操作であってもロボットの範疇に含む場合もある。とはいえ、操り人形の類は何かの作業を目的とした装置ではないし、まして自動的に動作する物でもないためロボットとは言えないが、予め設計された一連の動作を特定の操作をきっかけとして行うからくり人形等に、今日あるロボットの原型を見出す事ができるため、間接的にからくり人形をロボットの一種と見なす事も可能である。同時に、モーター等の動力が内蔵され機械的または電気的に人間の操作を伝達して動作するマニピュレーターも、ロボットの一種と見なされる。
前述の定義から考えれば、「人の代わりに作業を行う」ものが本来のロボットであり、操縦者が搭乗する必要性があるブルドーザーやショベルカーなどは原則としてロボットとは言えない。しかし、「人の形をした乗り物または作業用機械」については、操縦者が搭乗する必要性があっても一般的にはロボットと呼ばれている(特に日本においては、『マジンガーZ』や『機動戦士ガンダム』に代表される巨大ロボットアニメ作品の影響から、この傾向が強い)。特に最近は、それらの作業機械でも高度な自動制御技術の導入が進み、人間が操縦者から単なる作業指示・命令者に近づきつつある事から、一層境界が曖昧になって来ている。
古くからある概念であり、非常に多岐に渡るイメージを含む事もあって、往々にしてその定義は曖昧である。
|